【徹底解説】エドワードグリーン・チェルシーを知ってもっと好きになろう!
こんにちは。AHIMOTOのかねです。
やっとの思いで手に入れたエドワードグリーンを履いて5年以上が経ちました。
いつかは欲しいと身銭を切って買ったエドワードグリーンのチェルシーですが、そもそも「エドワードグリーン」と、その革靴ブランドがつくる「チェルシー」はどのような存在なのか、知っているようで奥が深かったのでご紹介できればと思います。
エドワードグリーンを深く知ると、エドワードグリーンのことがもっと好きになり、オーナーであることを誇りに思いました。
目次
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エドワードグリーンとは
エドワードグリーンは1890年に設立されたイギリスノーサンプトンに拠点を置くシューメーカーです。生産に関わる手作業のレベルは非常に高く、すべて手作業であるため週に約250足しか完成しないとのこと。「英国でも稀代の才気煥発な靴職人」として世界中から愛されるシューメーカーとなりました。こだわりを感じます。
1977年にグリーンの甥・マイケルグリーンからマーリーホジソンに売却。その後オーダーメードメーカーのジョンフラスティックに売却されるなど、度重なる困難がありましたが、その困難を乗り越えエドワード・グリーンは独立ブランドとして活躍されています。
実は「ジョン・ロブ」は「エルメスに」、「チャーチ」は「プラダ」にと、英国革靴メーカーのほとんどが大手のファッションブランドの傘下に入っているんですよ。
チェルシーは「キング・オブ・ストレートチップ」
ストレートチップは革靴の中でも最もフォーマルなものとして位置づけられます。ビジネスから冠婚葬祭まで使えることからメンズファッションに必須のアイテムです。
完全な主観ですが、ストレートチップはデザインだけでみるとパッと見ただけでは違いはわからないことが多いです。
拾った画像ですが。ストレートチップあるある。 pic.twitter.com/HqDWRyJS70
— ASHIMOTOのかね (@ASHIMOTO16) July 20, 2020
「もう少し細身だったら」「もう少しヒールカップが小さかったら」「履き心地が良ければ」など、今まで履いてきたストレートチップに感じたネガティブなポイントが一切ない、どの角度から眺めても美しい完璧なストレートチップだと思います。
そんなエドワードグリーンのチェルシーには「スワンネック」という、「あ!チェルシーだ!」を象徴するステッチデザインがあります。
チェルシーの「スワンネック」
1990年代後半、エルメスがジョンロブの靴の生産をも請け負うようになった際、エドワードグリーンの技術力の高さに目を付けたエルメスが、買収の話を持ちかけたことがあるそうです。
買収されはしたものの結局うまくいかず、自社株を全てエルメスに売却することになってしまいました。工場、型紙、ラスト(なんと#202も!)すべて権利を売却されたそうです。
その後、エドワードグリーン再建を目指し工場を立ち上げ、そこにエドワードグリーンの職人たちが再集結し、#202も新型として復活しました。(よかった…!)
そして、その復活の象徴としてその頃から「スワンネック」が革靴にも使われるようになったそうです。スワンネック自体は古くからブーツ等に使われており、エドワードグリーンは、このスワンネックをドレスシューズに採用した初めてのブランドにあたります。
これまでのストレートチップには存在しなかったスワンネックが、そのストーリーの中でやがて「あ、チェルシーだ!」とわかる創業120年の革靴老舗ブランドイメージを構築することができるようになったのです。
チェルシーのヒールカップとダブルステッチ
スワンネックはわかった。他に優れているところはないのか?という問いには、強いてパーツをいえば「ヒールカップ」と「ダブルステッチ」と答えたいと思います。それぞれ「ヒールカップ」と「ダブルステッチ」をご紹介します。
ヒールカップ
チェルシーのヒールカップは「適度に小さい」ので、かかとの小さい日本人にはぴったりです。私も初めてチェルシーを履いた時に感動したのは「ヒールカップが足を包み込んでくれる感覚」でした。もちろんシルエットも美しい。
ダブルステッチ
デザイン性があまりないフォーマルなストレートチップ。注目したいのは「ダブルステッチです。実は正統派のストレートチップは必ず2本のステッチで縫製されています。そして、この2本の間隔が狭いものほど技術力の高さを表しています。一切の乱れなく手縫いされたダブルステッチは、技術力の高さを感じることができます。
エドワードグリーンの「つくり」
最高級ブランドのエドワードグリーンはどこまで品質が高いのか。製法やパーツごとに、いかにエドワードグリーンのチェルシーが優れているかをご紹介します。
製法:グッドイヤーウェルト製法
履くほど足に馴染んでくるグッドイヤーウェルト製法。特にチェルシーのコバは非常に目付けが丁寧なところが特徴です。
インソールとライニング
チェルシーは完璧なストレートチップだと思いますが、それは外見だけではありません!とにかく「吸い付くような履き心地」がチェルシーの特徴です。
インソールには、ライニングには窓が設けられており、使用ラストやサイズが手書きで記されている。インソールとライニング両方に最高級のレザーが使われています。外も内も完璧!
ヒール
二段階の工程で取り付けています。ちなみにヒール部分の3連になった釘打ちも、エドワードグリーンならではの仕様である。昔ながらの製法を継承しています。
ラスト「#82」チェルシー
「#82」は2003年に登場しました。エドワードグリーンの代表的なラスト「#202」を受け継ぎながらスマートさを兼ね備えたラストです。「#202」のクラシックさに対して細身でスタイリッシュ現代的なスタイルをバランスよく表現しています。ノーズは長めです。
ラスト「#82」チェルシーの見た目はこんな感じ
6年目のラスト「#82」チェルシーをぐるっと一周。シューケア前なので鏡面に傷が入ったりしてますが、品質がわかると思います。
こちらで6年目のレビューもしていますので是非ご覧ください♪
いかがでしたでしょうか?今度ノーサンプトンの工場に行こうと思っています。(コロナが収束してから…)ブランドを知るには作っているところを見るのが一番ですね。工場行ったらまたレビューしたいと思います。それでは!